Nick97’s English Blog

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ハイレベル英文法:倒置 使い方6パターン

英作文のテストの点数を伸ばしたい」「ライティングで一歩上のスキルを手に入れたい」、そのように考えているなら倒置は役立つかもしれません。このページでは、ある程度基本的な文章を英語で書くことができる人が、ステップアップするのに役立つ、「倒置」を攻略します。

 

英文法の倒置とは?

倒置とはなんでしょうか。一般に倒置とは、物事の順序を逆にすることを指します。日本語では「ペンです、これは」のように、「これはペンです」という文の順序を替えると倒置が成り立ちます。英語の文法でも同じです。主語や動詞、副詞の順序を替えることによって倒置を使うことができます。

すでにあなたも英語の倒置を知っているかもしれません。簡単な例を挙げてみましょう。例えば、疑問文を作る時には倒置を使います。

 

This is a pen.

「これはペンです。」

 

上の文を疑問文に変えるには、主語とbe動詞を逆にすればいいのです。

 

Is this a pen?

「これはペンですか?」

 

“Is” を先に持ってくることで英語では疑問文にすることができます。

でも、これだけじゃハイレベル文法なんて言えませんよね。英語の倒置は他にもあるのです。ここからが本番です。

 

その1:関係代名詞

多くの人が嫌いかもれませんが、関係代名詞も倒置の一種です。たとえば、

 

I don’t know what this is.

「私はこれが何かわからない。」

 

という時。「これは何?」と聞く時は “what is this?” となるのですが、「私はこれが何かわからない」というのはあくまでも平常文なので、疑問形を倒置して元の形に戻します。

今回は倒置としての説明でしたが、関係代名詞の考え方はいろいろありますので、是非調べてみてください。

 

その2:“so”,”neither”,”nor”の倒置

相手が言ったことに対して同意の返事をするとき、倒置法を使うことがあります。

 

I think this is a pen.

「私はこれがペンだと思います。」

So do I.

「私もそう思います。」

 

I don’t know what this is.

「私はこれが何かわかりません。」

Neither do I. / Nor do I.

「私もわかりません。」

 

このように、肯定文に対しては “so” 、否定文に対しては “neither” や “nor” を呼応させて使います。気をつけなければならないのは、動詞を合わせなければならないということです。言葉では分かりにくいので例を挙げると、

 

I am a pen.

「私はペンです。」

 

これに対して「私もそうです」と返事するためには、同じようにbe動詞を用いて

 

So am I.

「私もそうです。」

 

と返事をします。

また、会話のような文でなくても次のように一文にまとめることもできます。

 

I am not a pen, and neither are you.

「私はペンではありません、そしてあなたも違います。」

 

その3:否定的な副詞類が文頭に来る場合

否定的な副詞類といっても、ピンとくる方は少ないかと思いますので、いくつか例を挙げてみましょう。

・never

・rarely

・hardly

・seldom

・not only

・not until

数例だけですが、説明を見れば伝わるかと思います。

 

“never” を使った文を考えてみます。平常文では、

 

I have never met you before.

「私はあなたに以前会ったことが一度もありません。」

 

“never” は否定的な意味を持っているので、倒置が使えます。倒置を使うと、

 

Never have I met you before.

「私はあなたに以前会ったことが一度もありません。」

 

文頭に否定的な意味を持つ語を置き、次に動詞、主語という順番になります。

ここで、気をつけなければならないのは、否定語の後ろにくる動詞は、疑問文を作るときの文頭の語と同じです。例を挙げます。まず平常文の場合は、

 

I seldom see you.

「私は滅多にあなたに会いません。」

 

次に否定語を省いた文を作ると、

 

I see you.

「私はあなたに会います。」

 

この場合、疑問文を作るときの文頭の語というのは、 “do” です。なぜなら、 “I see you.” の疑問文は、

 

Do I see you?

「私はあなたに会いますか?」

 

だからです。最初に戻って “I seldom see you.” の倒置の形を考えてみましょう。最初は否定語 “seldom” 、次に動詞として “do” 、あとは普通の文と同じです。

 

Seldom do I see you.

「私は滅多にあなたに会いません。」

 

このようになります。

最後に他の例文としていくつか挙げておきます。

 

Not only can you speak Japanese but you are also an English speaker.

「あなたは日本語を話せるだけではなく、英語話者でもあります。」

 

Not until you had reached your goal did you realise how far you had come.

「あなたは、自分の目的を果たして初めてどれだけ遠くまで来たのかわかった。」

 

その4:仮定法を使う文の中で

仮定法というのは “if” を使った文のことです。このような文の中では倒置を使うことによって “if” を省く場合があります。”if” を省く場合には “should” 、 “were” 、 “had” を文頭に持ってきて仮定や条件を示します。

まずは平常文を見ていきます。

 

If I were you, I would study English.

「もし私があなただったら、英語を勉強するでしょう。」

 

これを倒置を使って表し、 “if” を省きます。

 

Were I you, I would study English.

「もし私があなただったら、英語を勉強するでしょう。」

 

この場合、主語がどんなときでも “were” を使うようにしましょう。「英語で “was” 等を使うネイティブもいるじゃないか」という意見は分かりますが、実際書き言葉では “were” が正式なものだという認識が多いようです。厳しいテストなどでは、減点対象にもなりかねないので気をつけましょう。

口語として使うには堅すぎますが、なにかハイレベルなスキルが英作文に求められているテストなどでは役に立つでしょう。

 

その5:”as” を使った倒置

“as” は、「〜のように」と言う意味です。例えば、二人の人が同じような行動を取ったとき、この用法が使えます。

例えば、「明日は修学旅行だから早く寝なきゃ」というようなシチュエーションのときは、このように言うことができます。

 

I decided to sleep early, as did Nick.

「ニックがしたように、私は早く寝ると決めた。」

 

“as” の後ろが倒置の形になっていますね。倒置に使う動詞(この場合は “did”)にも気をつけましょう。 

 

その6:”so” 、 “such” を使った倒置

これらの語を倒置文に入れるときは、必ず文頭に来るようにします。

 

So excited was I that I could not sleep last night.

「私はとても興奮していたので、昨晩は寝られなかった。

 

もうここまでくるとお手の物ですね。”so” の後ろに形容詞、あとは主語動詞を入れ替えるだけで倒置の完成です。

 

まとめ

ここまできたら、あなたはもう完璧です。いろんな単語の組み合わせを使って練習してみてください。

その1、その2以外はやや〜とても固い文章なので、あまり口語では馴染みがないと思います。テストでどれだけのスキルが求められているのかなど、状況によっても使い分けるようにしましょう。

 

関連書籍

倒置は英検の2級〜や、TOEIC800点レベル、大学入試で出題されることが多いです。

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